エンジンの音

「やべーて父ちゃん帰って来たてー！！！」

一同

「シーーーーーン」

これが幼い頃の食事前の記憶。

その合図は狭い路地から侵入し月極駐車場まで伸びる道を運転して帰って来る。

父の車のエンジン音。そんなに侵入してくる車も少ないし時間帯でまぁまぁの確率で当たります。

怒られるのがいちいち怖く。行儀よくしてたもんです。

時は経ち。

現在の新店舗購入資金の為に、車を売った話を聞きました。

当時。私も別の会社で働いていた社会人ですが帰省して後継ぎはしておらず・・・。

「へぇそうなのね。」

としか感じなかったんですが・・・。

今、この歳、この立場になると。私財を投げ売ってまでもやるべき事をやるのは

凄い事だと思う訳です・・・。ある程度、車はこれやろ！！とこだわりを持っていたので。

それを手放すとは断腸の思いとは大袈裟かも知れませんが。会社の為。社員の為。

思う事があったと思います。それから十数年・・・。

「店舗の返済も終わった自分の車買っていいか？」

少し相談ではないですけど、聞いてきました。よくある事後報告前の

ワンクッションです。これはもう買う気です。私には止める権限もないですし、勿論、

お金も出す訳でもないですから（笑）まぁ。息子としてはここで買ってやるのが一番、

カッコイイんですがね・・・。僕にも生活が・・・。借金返済を少しでも手伝ったと思って頂ければ。

少しは貢献したのではないでしょうか・・・。（笑）

幼い頃かっこいい車に乗る父の背中に憧れてましたから。

また戻ってきて嬉しく思う訳です・・。くれぐれも安全運転で。

しかし。今の車は静かですなーーーーーーーーー。こりゃ帰って来るの分かりませんわ（笑）